高圧ガスボンベ使用中の緊急時対応フロー(3分類版)

対象区分:酸素(支燃性ガス)/アセチレン・プロパン等(可燃性ガス)/窒素・アルゴン・炭酸ガス等(不活性・窒息性ガス)

本資料は、ガス種ごとの主な危険性に応じて初動対応を整理した社内用たたき台です。
実際の配布時は、緊急連絡先、避難場所、担当者、設備名称などを事業所の運用に合わせて追記してください。

区分の考え方

  • 酸素は自体は燃えないが、燃焼を激しく助長するため「支燃性ガス」として区分する。
  • アセチレン、プロパン等は漏えい時に火災・爆発の危険があるため「可燃性ガス」として区分する。
  • 窒素、アルゴン、炭酸ガス等は酸素濃度を低下させるため「不活性・窒息性ガス」として区分する。

1. 酸素(支燃性ガス)使用中の緊急時対応フロー

1-1. 異常の発見

以下のような兆候を確認した場合は、直ちに対応を開始してください。

  • ガス漏れの疑い(シューという音、接続部の異常など)
  • 圧力計の異常低下
  • 容器の転倒、破損
  • 火災の発生
  • 器具、ホース、調整器などの異常

1-2. 直ちに実施する行動

安全確保を最優先とする

  • 作業を直ちに中止し、周囲の作業者へ異常を知らせる。
  • 安全に接近できる場合のみ、使用機器を停止し、容器バルブを静かに閉止する。
  • 火災が発生している場合、無理に接近せず、危険を感じたときは直ちに避難する。
  • 周囲の火気使用を直ちに停止し、関係者以外を近づけない。
  • 責任者、販売業者へ連絡し、必要に応じて消防等の関係機関へ通報する。
  • 鎮火後も再燃防止のため、事業所の手順に従って安全確認を行う。

1-3. 報告・記録

  • 上司、責任者へ速やかに報告する。
  • 事故、異常の内容、発生場所、時刻、対応状況を記録する。
  • 原因を確認し、再発防止策を検討する。

1-4. 重要ポイント(覚えておくべきこと)

  • 酸素自体は燃えないが、燃焼を激しく助長する。
  • 容器バルブ、調整器、器具、工具、手袋、手指、衣類などに油脂類を付着させない。
  • 容器バルブは急激に開閉せず、丁寧に取り扱う。
  • 容器は必ず転倒防止措置を行い、直射日光や高温を避ける。
  • 酸素を使用する設備の5m以内では喫煙・火気使用を禁止する。
  • 使用開始時、使用終了時に異常の有無を確認し、1日1回以上設備の作動状況を点検する。

1-5. その他

  • 地震、火災等の緊急時に備え、連絡体制、避難方法、初動担当者をあらかじめ定める。
  • 容器の盗難、紛失時は、販売業者、関係機関へ速やかに連絡する。

1-6. 事故を防ぐために

  • ホース、調整器、バルブ等は日常点検を行い、異常があれば直ちに使用を中止する。
  • 接続部の緩み、漏れ、ホースの硬化、摩耗、亀裂の有無を確認する。
  • 火花や落下物のおそれがある場所には容器やホースを置かない。
  • 作業場所の整理整頓と通気確保を徹底する。

2. アセチレン・プロパン等(可燃性ガス)使用中の緊急時対応フロー

2-1. 異常の発見

  • ガス漏れの疑い(臭気、シューという音など)
  • 圧力計の異常低下
  • 容器の転倒、破損
  • 器具、ホース、吹管等からの出火、逆火、炎の異常
  • 火災、爆発のおそれがある状態

2-2. 直ちに実施する行動

安全確保を最優先とする

  • 作業を直ちに中止し、周囲の作業者へ異常を知らせる。
  • 周囲の火気使用を直ちに停止し、関係者以外を近づけない。
  • 安全に接近できる場合のみ、使用機器を停止し、容器バルブを閉止する。
  • 火災、炎上、爆発のおそれがある場合は、無理に接近せず直ちに避難する。
  • 責任者、販売業者へ連絡し、必要に応じて消防へ通報する。
  • 漏えい箇所の近くや、ガスが滞留するおそれのある場所には立ち入らない。
  • 事業所の手順に従い、安全を確認したうえで換気を行う。

2-3. 報告・記録

  • 上司、責任者へ速やかに報告する。
  • 異常の内容、臭気の有無、発火の有無、対応内容を記録する。
  • 設備不良、操作不良、ホース損傷等の原因を確認し、再発防止策を講じる。

2-4. 重要ポイント(覚えておくべきこと)

  • アセチレン、プロパン等は可燃性ガスであり、漏えい時は火災・爆発の危険がある。
  • プロパンを主成分とするLPガスは空気より重く、低い場所に滞留しやすい。
  • 容器、ホース、吹管等に火花や炎が触れないよう必要な措置を講じる。
  • 容器は必ず転倒防止措置を行い、火気や高温を避ける。
  • 異常時は「まず消す・閉める」ではなく、まず自分の安全を確保する。

2-5. その他

  • 地震、火災等の緊急時に備え、連絡体制、避難方法、初動担当者をあらかじめ定める。
  • 容器の盗難、紛失時は、販売業者、関係機関へ速やかに連絡する。

2-6. 事故を防ぐために

  • ホース、調整器、バルブ、吹管等の設備は日常点検を行う。
  • ホースの劣化、摩耗、亀裂、ゆるみ、漏れを確認し、異常があれば直ちに交換する。
  • 火花の飛来する場所、落下物のおそれがある場所に容器やホースを置かない。
  • 滞留防止のため、作業場所の整理整頓と通気確保を徹底する。

3. 窒素・アルゴン・炭酸ガス等(不活性・窒息性ガス)使用中の緊急時対応フロー

3-1. 異常の発見

  • ガス漏れの疑い(シューという音、圧力計の異常低下など)
  • 容器の転倒、破損
  • 作業者の体調異常(めまい、息苦しさ、ふらつき、意識低下など)
  • 換気不良、閉鎖空間、低所などでの異常

3-2. 直ちに実施する行動

安全確保を最優先とする

  • 作業を直ちに中止し、周囲の作業者へ異常を知らせる。
  • 漏えいが疑われる場所にはみだりに立ち入らず、関係者以外を近づけない。
  • 安全に接近できる場合のみ、使用機器を停止し、容器バルブを閉止する。
  • 換気は事業所の手順に従って行う。
  • 倒れている人がいても、保護具なしで救助に入らない。
  • 責任者へ連絡し、必要に応じて消防、救急へ通報する。

3-3. 報告・記録

  • 上司、責任者へ速やかに報告する。
  • 発生場所、換気状況、作業状況、体調異常者の有無、対応内容を記録する。
  • 原因を確認し、再発防止策を講じる。

3-4. 重要ポイント(覚えておくべきこと)

  • 窒素、アルゴン、炭酸ガス等は燃えにくいが、酸素濃度を低下させて窒息事故を起こす危険がある。
  • 酸素濃度18%未満は酸素欠乏である。
  • 酸素欠乏空気は、1回吸い込んだだけで致命的になることがある。
  • 異常時は、救助者の二次災害防止を最優先とする。
  • 必要に応じて酸素濃度測定、換気、呼吸用保護具の使用を行う。

3-5. その他

  • 地震、火災等の緊急時に備え、連絡体制、避難方法、初動担当者をあらかじめ定める。
  • 閉鎖空間、低所、換気不良箇所では特に注意し、必要な教育と手順を整備する。

3-6. 事故を防ぐために

  • ホース、調整器、バルブ等の設備は日常点検を行う。
  • 使用開始時、使用終了時、作業再開時には異常の有無を確認する。
  • 換気不良となるおそれのある場所では、酸素濃度の確認を行う。

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