高圧ガス容器の使用や保管などについての点検・禁止事項
高圧ガスをご利用になる方々、周囲の人、あるいは公共への危害、財産の損害ならびに、
容器またはバルブの破壊によるガスの漏洩や破裂・爆発などを未然に防止するために、必
ず点検をして下さい。高圧ガスによる災害事故は、溶接・切断作業時に比較的多く発生し
します。作業者は、作業周辺の環境や使用する装置器具の整備点検、作業の手順等に充分
注意して下さい。特に酸素容器とアセチレン容器の使用上の注意事項は良く守って下さい。
この記事では、安全に高圧ガスを扱うための点検ポイントと、すぐに使える3種類のチェックリストを提供します。
貯蔵状態の高圧ガス容器に対する点検事項
貯蔵時に確認すべきポイント
- 容器の種類と正しい保管方法
- 酸素容器と可燃性容器は分けて保管
- 充瓶容器と使用済容器の管理
高圧ガス容器は、高圧ガス容器メーカーによって製造された容器本体に、高圧バルブメーカーにより製造された高圧ガスバルブを取り付けたものに、1Mpa以上の圧縮ガスなどを充填してあるものです。
製造直後で充填前の物、再検査直後や全ガス消費し終わって、内圧が1Mpa以上ない場合でも、一般には高圧ガス容器と呼び、諸々の高圧ガス関係の規制を受ける事になります。
容器の種類としてシリンダー型(ガス)、タンク型(大型の液体貯蔵タンク)、超低温容器(液体貯蔵用)があります。
ここではシリンダー型の容器についての貯蔵や、使用の際の注意点を記載致します。
貯蔵は正式な置場を設け、常にその場で受払いを行うのが望ましいですが、作業現場事情で使えない時は、周囲環境の良い一定の場所を定め、そこで授受を行うようにして下さい。
現場終了後は作業現場を点検し、未返却容器(未回収)の無いことを確認して下さい。
必ず励行して容器を放置しないようお願いします。
酸素容器と可燃性容器は離して保管して下さい。
また充瓶容器と使用済容器も分けて保管して、使用済容器は速やかにガス納入業者へ連絡し返却するようお願い致します。
容器の貯蔵についての確認リストを作成しております。ぜひご活用ください。
高圧ガスを消費する際の点検事項
消費時の安全対策
- 容器の取り扱い禁止事項(乱暴な扱い、転倒防止)
- バルブの開閉操作の注意点(ゆっくり開ける、正面に立たない)
- 作業中の器具(調整器・ホース)の管理
高圧ガス容器は高圧ガスを保持する本来の目的以外で利用しないで下さい。
容器に充填されたガスが漏洩や噴出する危険がありますので、容器を粗暴に取り扱うなどの危険な取り扱いは避けて下さい。
バルブを開閉する際はゆっくりと開閉操作をして下さい。急激な開操作を行うと、バルブ及び周辺機器を破損させる場合があります。また、バルブを開ける際は断熱圧縮などで調整器が破壊し、割れたガラスの破片などが飛散する危険性がありますので、調整器の正面には立たないようにして下さい。また、容器バルブを開ける器具は、専用の開閉用ハンドルを使って行い、このハンドルは溶接・切断作業中はずっと装着しておいて下さい。
ガスを消費する際の確認リストを作成しております。ぜひご活用ください。
消費設備の状況確認
機器(調整器・ホース・逆火防止器)の正しい扱い
- 調整器の取り付け時の注意点
- ホースの劣化チェック&交換方法
- 逆火防止装置の設置義務と交換時期
高圧ガスを消費する際に使用する機器(調整器、ホース、逆火防止器等)は正しい取り扱いをお願いいたします。
調整器は取付口に適切に取り付け、ネジ山が合わないものや、規格外のものを無理やり取り付ける事は避けましょう。事故の原因となります。ホースについては酸素が青色、アセチレンが赤色、LPガスはオレンジ色、シールドガスは緑色を使用して識別します。
ゴムホースは古くなるにつれ硬化し割れが生じます。ガス漏れを引き起こす危険がありますので、常に検査し、不良品は速やかに交換して下さい。ホースの漏れ箇所をテープで巻かないようにして下さい。必ず悪い場所を切り取り、ホースバンドとホース継手を使用して確実に処置して下さい。
溶接や切断用の酸素、可燃性ガス使用時には、高圧ガス保安法(一般高圧ガス保安規則第60条13号)により逆火防止装置の設置義務があります。逆火してきた火炎をその部分で止める働きをする安全器ですので、必ず取り付けてください。また、調整器の交換目安は7年、逆火防止器は3年毎のメーカー検査、及び交換を推奨します。
消費設備の確認リストを作成しております。ぜひご活用ください。